【改訂版】ワケあり上司とヒミツの共有

雪ちゃんの車が見えなくなり、アタシは手を振るのを止めた。

ジョーロを手に取り、水道から水を汲む。花達に水をあげると、シュワシュワシュワと歓喜の声が上がった。水の粒がキラキラと夕日に反射してとても綺麗。

「江奈っち、もしかしたら諦めなくても良いかもしれないわね。アンタ、どう思う?」

風に揺れる花を、ちょんっとつついた。くすぐったそうに、花が揺れる。

さっきの雪ちゃんのあの目。確実にアタシに対する嫉妬の目だった。

でも、それがどう言った嫉妬なのかが定かじゃない。直感では……。

「まあ、アタシに出来る事は見守る事か」

あと、江奈っちが頼って来たら全力で味方をする事。

さて――。明日の仕込みをしないとね。

アタシは残りの水を花達に撒いて、店の中へと戻った。