【改訂版】ワケあり上司とヒミツの共有

「今日は本当にありがとうございました!」

私はハナちゃんに深々とお辞儀をした。

「どういたしまして♡江奈っちが作ってくれたマフィンも美味しかったわよ♡」

「ありがとうございます」

あれから、他愛のない話をしながらスコーンの試食会となった。味は申し分の無い出来上がりで、女子会の様にみんなで盛り上がった。

「今度、アタシにもマフィンの作り方教えてちょーだいな♡」

「はい、是非!」

雪ちゃんが、お店の入り口前まで車を持って来る。と言って駐車場に行ったので、私達は入り口の前でお話をしながら待っていた。

「江奈っち」

「はい?」

不意に、真剣な声で名前を呼ばれ、ハナちゃんの顔を見る。顔も真剣だった。

「どうしたんですか?」

なんとなく言いたい事は想像出来たけど、私はあえて「分からない」と言う様な態度を取る。

「辛かったら、いつでも連絡してね」

「…………」

本当は茶化して返事を返そうと思っていたけど、ハナちゃんが余りにも真剣な顔をするから、出来なかった。

「……はい!しんどい時は、必ず!」

「ええ。絶対よ」

ハナちゃんが優しく抱き締めてくれる。

「ハナちゃん……ありがとう……」

私もハナちゃんの背中にそっと腕を回し、ギュッとしがみついた。なんだか安心するんだよね、ハナちゃんの腕の中は。

――プップッ!

そんな事をしていると、後ろでクラクションの音が聞こえた。

「外でなにやってんのよ?」

窓から雪ちゃんが顔を出して私達を鋭い目で見ている。