光くんは、私を背後に庇いながら、クールに言った。
「残念ですが、僕は存じ上げてません。……では。……さっちゃん、行こう。明田先生、あっちだよ。」
「なんや。明田さんの教え子か!……ほんで、見覚えあったんかな?」
朝秀先生はそう言って、私たちにくっついてきた。
光くんは、すごく嫌そうな顔で朝秀先生を何度か見ていた。
洋画コーナーの一画で、明田先生が、野木さんと話しているのが見えた。
すると、朝秀先生は手を振りながら声を張った。
「明田さーん!」
明田先生が、柔らかい笑顔で手を挙げた。
「よぉ。来たか。お疲れ。……ん?なんだ?もう仲良くなったのか?」
朝秀先生、本当に明田先生とお知り合いなんだ。
「なってません。さっちゃんに手を出してたんだよ。もう!」
光くんは口をとがらせて、明田先生に言いつけた。
「……春秋くん……。お前、俺の教え子に、何やっとーねん。」
明田先生に呆れられて、朝秀先生は
「てへっ。怒られちゃった。」
と、おどけて肩をすくめて見せた。
……この……イケメンだけど、ふざけた軽いヒトが、本当にあの桜の版画の作者なの?
まあ、明田先生も不細工小デブな外見からは想像もつかない美しい絵を描くヒトだけどさ。
「やー。明田さんが出展するのって、久しぶりやないですか。せやし、すごく楽しみにしてたんですよ。……どれどれ。はい、ちょっと、すいませんね。」
朝秀先生は、ヒトの間を縫って、明田先生の作品の前を陣取った。
そのまま、動かないみたい。
「明田さん。あのヒト、何者?」
野木さんが、不思議そうに尋ねた。
「新進気鋭の版画家、でいいのかな。わりと、何でも手を出すから、アーティストって言うべきか?何をやらしても器用な奴だよ。」
「へえ。野木の趣味じゃないけど、テレビ受けしそうな風貌。作品も派手なんでしょうね。」
野木さんのつぶやきに、私は慌てて言った。
「派手じゃなかったよ。ほら、さっき私が見てたエッチングの桜。あれ、朝秀先生の作品よ。」
「え!?」
本気で驚く野木さんに、私はうなずいて見せた。
明田先生も、うなずいた。
「春秋は、ああ見えて、繊細で深い奴。わかりやすそうで複雑。どこにあったって?俺も見せてもらおうかな。」
「あ。はい。あっちの版画コーナーの真ん中ぐらいです。」
「明田さん。野木が案内します。」
野木さんと明田先生は、版画コーナーへと向かった。
光くんだけが不機嫌そうに突っ立っていた。
「残念ですが、僕は存じ上げてません。……では。……さっちゃん、行こう。明田先生、あっちだよ。」
「なんや。明田さんの教え子か!……ほんで、見覚えあったんかな?」
朝秀先生はそう言って、私たちにくっついてきた。
光くんは、すごく嫌そうな顔で朝秀先生を何度か見ていた。
洋画コーナーの一画で、明田先生が、野木さんと話しているのが見えた。
すると、朝秀先生は手を振りながら声を張った。
「明田さーん!」
明田先生が、柔らかい笑顔で手を挙げた。
「よぉ。来たか。お疲れ。……ん?なんだ?もう仲良くなったのか?」
朝秀先生、本当に明田先生とお知り合いなんだ。
「なってません。さっちゃんに手を出してたんだよ。もう!」
光くんは口をとがらせて、明田先生に言いつけた。
「……春秋くん……。お前、俺の教え子に、何やっとーねん。」
明田先生に呆れられて、朝秀先生は
「てへっ。怒られちゃった。」
と、おどけて肩をすくめて見せた。
……この……イケメンだけど、ふざけた軽いヒトが、本当にあの桜の版画の作者なの?
まあ、明田先生も不細工小デブな外見からは想像もつかない美しい絵を描くヒトだけどさ。
「やー。明田さんが出展するのって、久しぶりやないですか。せやし、すごく楽しみにしてたんですよ。……どれどれ。はい、ちょっと、すいませんね。」
朝秀先生は、ヒトの間を縫って、明田先生の作品の前を陣取った。
そのまま、動かないみたい。
「明田さん。あのヒト、何者?」
野木さんが、不思議そうに尋ねた。
「新進気鋭の版画家、でいいのかな。わりと、何でも手を出すから、アーティストって言うべきか?何をやらしても器用な奴だよ。」
「へえ。野木の趣味じゃないけど、テレビ受けしそうな風貌。作品も派手なんでしょうね。」
野木さんのつぶやきに、私は慌てて言った。
「派手じゃなかったよ。ほら、さっき私が見てたエッチングの桜。あれ、朝秀先生の作品よ。」
「え!?」
本気で驚く野木さんに、私はうなずいて見せた。
明田先生も、うなずいた。
「春秋は、ああ見えて、繊細で深い奴。わかりやすそうで複雑。どこにあったって?俺も見せてもらおうかな。」
「あ。はい。あっちの版画コーナーの真ん中ぐらいです。」
「明田さん。野木が案内します。」
野木さんと明田先生は、版画コーナーへと向かった。
光くんだけが不機嫌そうに突っ立っていた。



