目をそらしたいんだけど、はじめてナマで見るディープキスに、私は目がそらせなくなってしまった。
野木さんも生唾を飲み込んでガン見してる。
光くんだけが一瞥しただけで肩をすくめ、何事もなかったようにお茶を飲んだ。
そしてため息をついて、私の手をグイッと引いた。
「そんな顔で見ないの。」
そうたしなめて、光くんは私の目を覆った。
「あ。野木さんはいいよ。創作活動の勉強になるんじゃない?」
耳のすぐそばに光くんの唇があるみたい。
視界を遮られてよくわからないけど、光くんを間近に感じて、ドキドキした。
耳を澄ませば、かすかに湿った音と、甘ったるい息使いが聞こえる。
いつの間にか、教室中が、非日常的なキスシーンに注目してるらしい。
不自然な沈黙にようやく気づいた菊地先輩が
「なんや?」
と、教室中を威嚇した。
「……馬鹿ね。こんなところで。見られて当たり前でしょ。」
椿さんが菊地先輩に言ったようだ。
その声の色っぽいこと!
普段のサバサバした椿さんとはまるで別人。
女だ……。
「そうだよ。ケダモノみたいに盛(さか)るのはご自由ですけどね。清純な乙女もいるんだから、あまり刺激しないでくれる?菊地ケダモノ先輩。」
そう言いながら、光くんは私の目から手を離し、その腕に軽く引き寄せた。
必然的に、私は光くんに少しもたれるような格好になった。
あわあわして光くんから離れようとしたけれど、優しく優しく髪をなでられて……動けなくなってしまった。
甘ーい!
甘いよ、光くん!
私……もう、溶けちゃいそう……。
野木さんが食い入るように見てるけど。
「……ほな、昼練行くわ。」
菊地先輩は、そう言って教室を出て行った。
椿さんは鼻歌まじりにお弁当を出して、私たちの輪に入った。
「なに?もう食べちゃったの?ゆっくり食べんと太るで。いただきまーす!」
マイペースでお弁当を食べる椿さん。
今、卵焼きをパクついてるこの赤い唇が……ぐにゃりと歪んで、菊地先輩の唇を貪っていたのか……。
生々しすぎて、直視できない。
「……椿氏は、菊地ケダモノ先輩とつきあうのか?」
恐る恐る野木さんが聞いた。
椿さんは、首を傾げた。
「さあ?とりあえず、ヤッてみる。でも、続かないと思うよ?私、基本的に忙しいし。」
やってみる?
……やって、みる?
えー。
そんな……。
「菊地先輩のこと、好きになった?」
せめて一目惚れした、と言ってほしかった。
でも、椿さんは笑った。
「まだ好きになるほど知らんわ。……でもそやなー、菊地先輩の顔は好き。ノリも好き。キスも好き。せやし、いいんちゃう?」
野木さんも生唾を飲み込んでガン見してる。
光くんだけが一瞥しただけで肩をすくめ、何事もなかったようにお茶を飲んだ。
そしてため息をついて、私の手をグイッと引いた。
「そんな顔で見ないの。」
そうたしなめて、光くんは私の目を覆った。
「あ。野木さんはいいよ。創作活動の勉強になるんじゃない?」
耳のすぐそばに光くんの唇があるみたい。
視界を遮られてよくわからないけど、光くんを間近に感じて、ドキドキした。
耳を澄ませば、かすかに湿った音と、甘ったるい息使いが聞こえる。
いつの間にか、教室中が、非日常的なキスシーンに注目してるらしい。
不自然な沈黙にようやく気づいた菊地先輩が
「なんや?」
と、教室中を威嚇した。
「……馬鹿ね。こんなところで。見られて当たり前でしょ。」
椿さんが菊地先輩に言ったようだ。
その声の色っぽいこと!
普段のサバサバした椿さんとはまるで別人。
女だ……。
「そうだよ。ケダモノみたいに盛(さか)るのはご自由ですけどね。清純な乙女もいるんだから、あまり刺激しないでくれる?菊地ケダモノ先輩。」
そう言いながら、光くんは私の目から手を離し、その腕に軽く引き寄せた。
必然的に、私は光くんに少しもたれるような格好になった。
あわあわして光くんから離れようとしたけれど、優しく優しく髪をなでられて……動けなくなってしまった。
甘ーい!
甘いよ、光くん!
私……もう、溶けちゃいそう……。
野木さんが食い入るように見てるけど。
「……ほな、昼練行くわ。」
菊地先輩は、そう言って教室を出て行った。
椿さんは鼻歌まじりにお弁当を出して、私たちの輪に入った。
「なに?もう食べちゃったの?ゆっくり食べんと太るで。いただきまーす!」
マイペースでお弁当を食べる椿さん。
今、卵焼きをパクついてるこの赤い唇が……ぐにゃりと歪んで、菊地先輩の唇を貪っていたのか……。
生々しすぎて、直視できない。
「……椿氏は、菊地ケダモノ先輩とつきあうのか?」
恐る恐る野木さんが聞いた。
椿さんは、首を傾げた。
「さあ?とりあえず、ヤッてみる。でも、続かないと思うよ?私、基本的に忙しいし。」
やってみる?
……やって、みる?
えー。
そんな……。
「菊地先輩のこと、好きになった?」
せめて一目惚れした、と言ってほしかった。
でも、椿さんは笑った。
「まだ好きになるほど知らんわ。……でもそやなー、菊地先輩の顔は好き。ノリも好き。キスも好き。せやし、いいんちゃう?」



