たぶん同じ中学出身のヒトは知ってるだろうけど、高校ではたぶん知らないヒトのほうが圧倒的に多いのよね。
てか、高校三年ともなると身体が出来上がってるというか……ほぼオトナだ。
迫られると、怖い。
すぐに、なるべく捕まらないように、うつむいて早足で歩く癖がついた。
普段は椿さんが庇ってくれたけど、そもそも椿さんも有名人なのよね。
相乗効果で私たちは目立ちまくるらしく……心が休まらない。
教室が離れてるので、お昼休みしか光くんを訪ねられないし。
「……てか、さっちゃん。良さそうなヒトと、お試しでつきあってみるんじゃなかったっけ?」
椿さんに指摘されて、ドキッとした。
そう言えばそんなことも言ってたっけ。
でも、無理。
怖い。
壁ドンが流行ってるとか言われても、あんなの、好きでもないヒトにされたら、恐怖しかない。
無理やりキスとかされたらどうするの!?
やだやだやだ!
「光くんは既にホームルームに出とらんみたいやし。前途多難やなあ。……ほな、お先。気ぃつけてね。」
気をつけるって、いったいどうすればいいの……。
涙目で椿さんを見送ってから、呼び出された生徒会室へと重い足を引きずった。
先輩がたからの勧誘をなるべく穏便に断ろうとするのだが、なかなかあきらめてもらえなくて……。
今日も下校時間ギリギリまで帰らせてもらえなかった。
疲れた……。
明日は、やっと土曜日。
小門家に遊びに行って、癒やされるんだー。
それだけを楽しみに、とぼとぼと歩いてると、サッカーボールが目の前に転がってきた。
……蹴ったり投げたりして、部員に返すべきなのかしら。
でも、道の向こうのグラウンドから飛んで来たようには見えないんだけど。
立ち止まって、じっとボールを見てると、横から声をかけられた。
「下向いて歩いとるん、危ないで。」
顔を上げると、すぐそばにサッカー部の派手なジャージの男のヒト。
今風のイケメン、の部類に入りそう。
「はあ。すみません。」
慌ててしゃがんでボールを拾った。
「あほやな。制服汚れよるわ。蹴ればいいのに。サッカーボールは蹴ってナンボや。」
彼は馬鹿にしたようにそう言いながら近づいて来て、私の持ってるボールを下から膝で蹴り上げた。
ポーンと、ボールが高い弧を描いて彼の手の中にすっぽりとおさまった。
鮮やか!
ちょっと感心したけど、次の瞬間、すぐ後悔した。
「送るわ。自分、鈍くさそうやし。」
そう言って、彼は私の肩に手を回した。
何で!?
びっくりして、すぐ逃げようとした。
でも、腕を捕まえられてしまった。
「いいから。」
何がいいんだかそう言ってから、彼は私の耳元に顔を近づけて、小声で囁いた。
「ちょっと派手な連中が、自分に目ぇつけとー。独りで下校せんほうがいいわ。」
え?
てか、高校三年ともなると身体が出来上がってるというか……ほぼオトナだ。
迫られると、怖い。
すぐに、なるべく捕まらないように、うつむいて早足で歩く癖がついた。
普段は椿さんが庇ってくれたけど、そもそも椿さんも有名人なのよね。
相乗効果で私たちは目立ちまくるらしく……心が休まらない。
教室が離れてるので、お昼休みしか光くんを訪ねられないし。
「……てか、さっちゃん。良さそうなヒトと、お試しでつきあってみるんじゃなかったっけ?」
椿さんに指摘されて、ドキッとした。
そう言えばそんなことも言ってたっけ。
でも、無理。
怖い。
壁ドンが流行ってるとか言われても、あんなの、好きでもないヒトにされたら、恐怖しかない。
無理やりキスとかされたらどうするの!?
やだやだやだ!
「光くんは既にホームルームに出とらんみたいやし。前途多難やなあ。……ほな、お先。気ぃつけてね。」
気をつけるって、いったいどうすればいいの……。
涙目で椿さんを見送ってから、呼び出された生徒会室へと重い足を引きずった。
先輩がたからの勧誘をなるべく穏便に断ろうとするのだが、なかなかあきらめてもらえなくて……。
今日も下校時間ギリギリまで帰らせてもらえなかった。
疲れた……。
明日は、やっと土曜日。
小門家に遊びに行って、癒やされるんだー。
それだけを楽しみに、とぼとぼと歩いてると、サッカーボールが目の前に転がってきた。
……蹴ったり投げたりして、部員に返すべきなのかしら。
でも、道の向こうのグラウンドから飛んで来たようには見えないんだけど。
立ち止まって、じっとボールを見てると、横から声をかけられた。
「下向いて歩いとるん、危ないで。」
顔を上げると、すぐそばにサッカー部の派手なジャージの男のヒト。
今風のイケメン、の部類に入りそう。
「はあ。すみません。」
慌ててしゃがんでボールを拾った。
「あほやな。制服汚れよるわ。蹴ればいいのに。サッカーボールは蹴ってナンボや。」
彼は馬鹿にしたようにそう言いながら近づいて来て、私の持ってるボールを下から膝で蹴り上げた。
ポーンと、ボールが高い弧を描いて彼の手の中にすっぽりとおさまった。
鮮やか!
ちょっと感心したけど、次の瞬間、すぐ後悔した。
「送るわ。自分、鈍くさそうやし。」
そう言って、彼は私の肩に手を回した。
何で!?
びっくりして、すぐ逃げようとした。
でも、腕を捕まえられてしまった。
「いいから。」
何がいいんだかそう言ってから、彼は私の耳元に顔を近づけて、小声で囁いた。
「ちょっと派手な連中が、自分に目ぇつけとー。独りで下校せんほうがいいわ。」
え?



