そういや、廊下がささくれ立つ古い家って言ってたけど、ココって、要塞みたいなモダンな建物だよな。
「……舞ちゃん、荒沢さんのこと、好きやねん。」
振り返って手を振るのをやめてから、おもむろに菊乃天人が言った。
「……うん。そんな感じだね。歳、いくつぐらい離れてるの?20ぐらい?」
荒沢さんは、たぶん30代半ばってところじゃないかな。
親子ほど年の離れた中学生、ましてや……お嬢さんと呼ぶヒトに慕われるのって……イロイロ大変そうだな。
「惜しい!22才差やて。荒沢さん、すごくモテるねんて。祇園のおねーさんに。結婚はしてないけど、ママの違う子供が何人もいるみたい。認知しいひんほうがいいんやって。父親が極道より、シングルマザーのほうが、社会的にいいんやって。」
ぺらぺらと、菊乃天人の口が動く……。
気まずさを隠してるのか、また、何か挑発してるのか……。
「……大変だねえ。それでも、荒沢さんが好きって、舞ちゃん、一途なんだねえ。……で?どこに行けばいいの?今度こそ、菊乃さんのご実家に案内してもらえるのかな?」
オブラートに包んだつもりだったけど、さすがに京都人の菊乃さんにはあっさり通じた。
「……ごめんなさい。……だますつもりなかったし、からかったわけでもないんやけど……光の誤解に便乗してた。」
気まずそうにそう言って、菊乃天人はしょんぼりうつむいた。
……まあ、確信犯だよな。
僕は、苦笑した。
「どうして?……偏見があるか、試したかったの?……それとも本当は僕を追い払いたかった?……ビビって逃げ出すのを期待してた?」
隣で菊乃天人が半泣きになってしまった。
……後悔するなら、最初から言ってくれればいいのに。
仕方なく、車を路肩に止めた。
「舞ちゃんが……」
菊乃天人はやっと口を開いた。
「うん?」
「……小学校でイジメに遭って、登校拒否しちゃったの……舞ちゃん。」
なんか長くなりそうだぞ……舞ちゃんの話が。
菊乃天人の話を聞きたいんだけどなあ。
僕は、興味がないとも言い出せず、あくびを噛みながら、相づちを打ち続けた。
「……舞ちゃん、荒沢さんのこと、好きやねん。」
振り返って手を振るのをやめてから、おもむろに菊乃天人が言った。
「……うん。そんな感じだね。歳、いくつぐらい離れてるの?20ぐらい?」
荒沢さんは、たぶん30代半ばってところじゃないかな。
親子ほど年の離れた中学生、ましてや……お嬢さんと呼ぶヒトに慕われるのって……イロイロ大変そうだな。
「惜しい!22才差やて。荒沢さん、すごくモテるねんて。祇園のおねーさんに。結婚はしてないけど、ママの違う子供が何人もいるみたい。認知しいひんほうがいいんやって。父親が極道より、シングルマザーのほうが、社会的にいいんやって。」
ぺらぺらと、菊乃天人の口が動く……。
気まずさを隠してるのか、また、何か挑発してるのか……。
「……大変だねえ。それでも、荒沢さんが好きって、舞ちゃん、一途なんだねえ。……で?どこに行けばいいの?今度こそ、菊乃さんのご実家に案内してもらえるのかな?」
オブラートに包んだつもりだったけど、さすがに京都人の菊乃さんにはあっさり通じた。
「……ごめんなさい。……だますつもりなかったし、からかったわけでもないんやけど……光の誤解に便乗してた。」
気まずそうにそう言って、菊乃天人はしょんぼりうつむいた。
……まあ、確信犯だよな。
僕は、苦笑した。
「どうして?……偏見があるか、試したかったの?……それとも本当は僕を追い払いたかった?……ビビって逃げ出すのを期待してた?」
隣で菊乃天人が半泣きになってしまった。
……後悔するなら、最初から言ってくれればいいのに。
仕方なく、車を路肩に止めた。
「舞ちゃんが……」
菊乃天人はやっと口を開いた。
「うん?」
「……小学校でイジメに遭って、登校拒否しちゃったの……舞ちゃん。」
なんか長くなりそうだぞ……舞ちゃんの話が。
菊乃天人の話を聞きたいんだけどなあ。
僕は、興味がないとも言い出せず、あくびを噛みながら、相づちを打ち続けた。



