小夜啼鳥が愛を詠う

「冬休みはどう過ごすん?」

事後のここちよいけだるさの中、宗真さんに聞かれた。

「あー、うん。……明田さんがパリに行っちゃうから、僕、やることない。暇~。さっちゃんと薫はお寺のボランティアだし……たぶん、今年は、須磨にも少ししか行けないかな。」

宗真さんは、眉をひそめた。

「……先生、ずっといいひんの?それは、心配やな。光……大丈夫け?」

逢ったこともないくせに、宗真さんは妙に明田さんを信頼していた。

「わかんない。……心配なら、宗真さん、来てよ。」

そう言ったら、宗真さんは困った顔になった。

敢えてニコニコ返事を待ってると、宗真さんは渋々言った。

「……なるべく時間つくる……。」

甘いなあ。

多少呆れちゃうけど、やっぱり心配され、かまってもらえるのは、うれしかった。


「ありがと。うれしい。でも無理しなくていいよ。クリスマスとお正月は、家族サービスしないと。……それに、ダメ元でチャレンジしてみたいことがあってさ。」

「何?バイトでもするんけ?彼女のオヤジさんの店で。」

さらりと言い当てられてしまった。

少し気恥ずかしい気がした。

「うーん……バイトじゃないかな。お金もらうつもりはないから。押し掛けお手伝い見習い?断られるかもしれないし、僕自身がとても無理かもしれないけど、とりあえずお試し?」

「へえ!前向きやん。……いいんちゃう?まあ、がんばれ。」

そう言って、宗真さんは、ぽんぽんと僕の頭を撫でた。


子供扱いかもしれないけれど、性欲解消以外の触れ合いに心が満たされた。


「続かなかったら、遊んでね。」

そう甘えると、宗真さんは片頬だけ上げた。

「それはいいけど、まあ、がんばってみーな。光のギャルソン、見てみたい。似合うやろ。」

「あ。その顔。やらしい顔してる……。ゆっとくけど、マスターはさっちゃんのパパだよ?お店には、うちのお父さんやおじいちゃんが毎日来るんだよ?……宗真さん、来てもいいけど……他人のふりしてね。」

僕のお願いは至極当然だと思うんだけど、宗真さんはニヤニヤと笑っていた。