小夜啼鳥が愛を詠う

「最初だけでしょ?……奥さん、綺麗だし、できたヒトだし……ちゃんと、好きになったんだよね?」

「……高1で出逢って、つきあい始めた。でも、翌年の夏に別れた。突然、涼花が俺に触られることに拒否反応を起こして。その時は、俺は子供過ぎて、理由も意味も考えようともせんかった。すぐに次の彼女もできたし、涼花とはそれっきりやと思ってた。」

淡々と話していた宗真さんの顔が苦しそうに歪んだ。

「26の時に涼花に再会して……昔、別れた理由を初めて知ったんやけどな、俺の子供を妊娠して中絶してんて。俺の家や名前に傷をつけへんために……俺の心に負担かけへんようにって、俺にも内緒で始末したんやて。……それで、涼花だけが罪の意識背負って、トラウマになって……苦しんでた……。」

え……。

「奥さんも高校生だったんだよね?……ホントに……できたヒト過ぎ……。」

「ああ。涼花は既にオトナで、俺はガキ過ぎた。……だから再会した翌年、涼花が妊娠した時には、昔の償いができると思ったんやけどな……どこまでも、俺は甘くて、今も、涼花ばっかり苦しんでる……。」

そう言って、宗真さんは僕の股間に手を伸ばした。


……そんな話をしながら、よくそんな……。


「ちょっと……こんなことしてていいの?バレたら、奥さん、また傷つけちゃうんじゃない?」


身体を捻って逃れようとしたけれど、宗真さんはソレを捉えて軽くしごいた。

強制的に与えられる快感に、僕は……吐息を漏らした……。


「……涼花に悪いから、浮気は男としかせんことにしてるんや。」

いけしゃあしゃあと、宗真さんは言った。

「もう!……男でも女でも浮気は浮気じゃないか。」

その手を無理矢理払いのけて、僕がそう突っ込むと、宗真さんは息をついた。

「……そやな。でも、男は妊娠せんからな。」

……あ~~~~。

なるほど。

それは、そうだな。


「いっそ、パイプカットしたら?」

何の気なしにそう言った。

ら、宗真さんは僕の首に腕を掛けてグイッと引き寄せた。

「そうはいかんわ。……涼花はまだ諦めてへんねんわ。俺の息子。……娘を産むのも大変やったのに、それからも、ずっとつらい不妊治療続けてる。」

え……。

それは……。