……無造作な仕草が色っぽかった……。
僕は再び、宗真氏にもたれた。
このヒトと一緒にいると、楽だな……。
「そっち方面って、どこ?時間、あるの?」
来週また逢えるのかと思うと、何となく心が弾んだ。
「神戸、通りすぎるけどな。塩屋や。」
「塩屋!?……ずいぶん西だねえ。」
宗真さんは、京都のご自宅と宇治の稽古場だけじゃなく、近畿周辺、北陸にも稽古場を持っていた。
そのほとんどが、素人のお弟子さんや親しいご友人や親戚のご自宅やセカンドハウスを借りているそうだ。
僕らがはじめて交わった宇治のお稽古場は、トラさんと宗真さんが呼ぶ金髪の作家先生の別荘の一つらしい。
そして、来週行くという塩屋も、作家先生の別荘なんだそうだ。
「ふ~ん?……うちの別荘も須磨にあるよ?もうすぐ桜が咲くねえ。ちょうど満月の夜に桜が満開になるとね……夢みたいに綺麗だよ。」
何の対抗意識なんだか、僕はそんな余計なことまで口走っていた。
まるで小学生男子のようだ……。
いや、薫でも、こんな馬鹿なことは言わないだろう。
僕はたぶん、幼少期に当たり前に形成するはずだった友達という関係に初めて直面していたのだと思う。
宗真さんは、こんな僕の幼稚さも、妖艶さも、可愛がってくれた。
こんな関係なのに……いわゆる、恋愛相談や、他のセフレとの別れ話やもめ事の相談にものってくれた。
「ひと目でわかったよ。一緒に観に来た子。お互いに好きなくせに。……彼女が、光の『恋重荷(こいのおもに)』?」
何度めかの逢瀬の時、さらりとそう聞かれた。
図星をさされて、僕はちょっとムッとした。
「……無粋だね。そうだよ。でも、弟と結婚させる予定。」
「はあ?光の弟って、まだ小学生ゆーてへんかった?」
僕は黙ってうなずいた。
年の差は、いかんともしがたい。
ツッコまれたら、何を言っても無駄だろう。
むっつりしてそっぽを向いた僕に、宗真さんは言った。
「……損な役回りやな。」
優しい声に、思わず宗真さんを見た。
このヒトは、どうして何も言わなくても、僕の気持ちを正しく理解してくれるのだろう。
僕は再び、宗真氏にもたれた。
このヒトと一緒にいると、楽だな……。
「そっち方面って、どこ?時間、あるの?」
来週また逢えるのかと思うと、何となく心が弾んだ。
「神戸、通りすぎるけどな。塩屋や。」
「塩屋!?……ずいぶん西だねえ。」
宗真さんは、京都のご自宅と宇治の稽古場だけじゃなく、近畿周辺、北陸にも稽古場を持っていた。
そのほとんどが、素人のお弟子さんや親しいご友人や親戚のご自宅やセカンドハウスを借りているそうだ。
僕らがはじめて交わった宇治のお稽古場は、トラさんと宗真さんが呼ぶ金髪の作家先生の別荘の一つらしい。
そして、来週行くという塩屋も、作家先生の別荘なんだそうだ。
「ふ~ん?……うちの別荘も須磨にあるよ?もうすぐ桜が咲くねえ。ちょうど満月の夜に桜が満開になるとね……夢みたいに綺麗だよ。」
何の対抗意識なんだか、僕はそんな余計なことまで口走っていた。
まるで小学生男子のようだ……。
いや、薫でも、こんな馬鹿なことは言わないだろう。
僕はたぶん、幼少期に当たり前に形成するはずだった友達という関係に初めて直面していたのだと思う。
宗真さんは、こんな僕の幼稚さも、妖艶さも、可愛がってくれた。
こんな関係なのに……いわゆる、恋愛相談や、他のセフレとの別れ話やもめ事の相談にものってくれた。
「ひと目でわかったよ。一緒に観に来た子。お互いに好きなくせに。……彼女が、光の『恋重荷(こいのおもに)』?」
何度めかの逢瀬の時、さらりとそう聞かれた。
図星をさされて、僕はちょっとムッとした。
「……無粋だね。そうだよ。でも、弟と結婚させる予定。」
「はあ?光の弟って、まだ小学生ゆーてへんかった?」
僕は黙ってうなずいた。
年の差は、いかんともしがたい。
ツッコまれたら、何を言っても無駄だろう。
むっつりしてそっぽを向いた僕に、宗真さんは言った。
「……損な役回りやな。」
優しい声に、思わず宗真さんを見た。
このヒトは、どうして何も言わなくても、僕の気持ちを正しく理解してくれるのだろう。



