「僕も……多重人格とか、強迫症とか、……いろんな病名を言われます。……それで……自分を保つ自信がありません。」
自然に弱音を吐いていた。
『……あぁ、やっぱり。1人では、つらいですよねぇ。私でよければ、相談にのりますよ?』
池上さんは僕に救いの手を差し伸べてくれた。
僕の手紙を読んで、事情を察知して、わざわざ電話してきてくれたのだろう。
「……ありがとうございます。心強いです。……あのぉ……憑依されてるときって、池上さんご自身は理解……というか……意識されてるんですか?」
僕の場合は、自分の意志や記憶がなくなるということはない。
それもあって、本当に彩瀬パパが僕のなかにいるのかどうか、怪しんでいるのだが。
『うーん……微妙?』
池上さんはそう言って、くすりと笑った。
言葉が少しくだけた。
何となく、距離が縮まったことがうれしかった。
『えーと……中3……てことは、漢文は習ってはるかな?老子、わかる?胡蝶の夢っての。』
……老子?「胡蝶の夢」?
「漢文の授業は始まりましたが、ソレはまだですね。……図書館で探して、読んでみます。」
そう言ったら、池上さんはまた笑った。
『真面目やなあ。ネットで検索する程度でわからはるわ。……まあ、簡単に言うたら、自分でもよぉわからんねん。夢心地というか、恍惚としてるというか……。でも、俺の場合は、お舞台を成立させなあかんからなあ。最低限、そこの意識だけはキープしてるんやと思う。』
……なるほど。
「自分の意志次第でコントロールできそうですね。」
わずかなしじまを経て、池上さんが言った。
『……可能だとは思う……けど、君はまだ若い。周囲に理解者がいはるんやったら、そばにいてもらったほうがいいと思う。』
理解者?
あーちゃんと、お父さん……でいいのかな?
でも……。
「あの……具体的にお話していいですか?」
一応そう断ってから、僕は池上さんに話した。
僕には、僕の生まれる前に死んだ実の父親の記憶と感情を共有しているかもしれないこと。
両親が、僕の中に彼がたまに降りてくると信じていること。
だから僕は……
自然に弱音を吐いていた。
『……あぁ、やっぱり。1人では、つらいですよねぇ。私でよければ、相談にのりますよ?』
池上さんは僕に救いの手を差し伸べてくれた。
僕の手紙を読んで、事情を察知して、わざわざ電話してきてくれたのだろう。
「……ありがとうございます。心強いです。……あのぉ……憑依されてるときって、池上さんご自身は理解……というか……意識されてるんですか?」
僕の場合は、自分の意志や記憶がなくなるということはない。
それもあって、本当に彩瀬パパが僕のなかにいるのかどうか、怪しんでいるのだが。
『うーん……微妙?』
池上さんはそう言って、くすりと笑った。
言葉が少しくだけた。
何となく、距離が縮まったことがうれしかった。
『えーと……中3……てことは、漢文は習ってはるかな?老子、わかる?胡蝶の夢っての。』
……老子?「胡蝶の夢」?
「漢文の授業は始まりましたが、ソレはまだですね。……図書館で探して、読んでみます。」
そう言ったら、池上さんはまた笑った。
『真面目やなあ。ネットで検索する程度でわからはるわ。……まあ、簡単に言うたら、自分でもよぉわからんねん。夢心地というか、恍惚としてるというか……。でも、俺の場合は、お舞台を成立させなあかんからなあ。最低限、そこの意識だけはキープしてるんやと思う。』
……なるほど。
「自分の意志次第でコントロールできそうですね。」
わずかなしじまを経て、池上さんが言った。
『……可能だとは思う……けど、君はまだ若い。周囲に理解者がいはるんやったら、そばにいてもらったほうがいいと思う。』
理解者?
あーちゃんと、お父さん……でいいのかな?
でも……。
「あの……具体的にお話していいですか?」
一応そう断ってから、僕は池上さんに話した。
僕には、僕の生まれる前に死んだ実の父親の記憶と感情を共有しているかもしれないこと。
両親が、僕の中に彼がたまに降りてくると信じていること。
だから僕は……



