小夜啼鳥が愛を詠う

そういえば、ママは義人さんとの仲を、おじいさまに反対されたことはないと言ってたっけ。

それって、掛け値なしの本当のことなんだろうな。

だって、おじいさまもおばあさまも……私に対して、こんなにもあからさまに愛情を注いでくださる……。

私に会いたかった……って、ずっと思ってくださってたって……ちゃんと信じられる……。

「サッチャン!サッチャン!」

まいらちゃんの手の中で、小さな青い鳥までが私の名前を呼んでくれる。

「……よかった……。ほんと、よかった……。なんかもう……切なくてさ。たぶんお兄ちゃん、夜中に独りで、桜子ちゃんの名前を呼んでたんやと思う……いざやが覚えるまでよ?」

由未さんが、泣きながらそう訴えた。

……そっかぁ。

おばあさまだけじゃなくて、義人さんの心にも沿って、泣いてくださってるんだ……。

優しいな……みんな、優しい……。

心が温かくって……愛にあふれて……。

「ありがと。いざやくん。」

私は鳥にそっと指を伸ばした。

いざやくんは、私の指に歩み寄り、ちょんとのってくれた。

か……かわいいっ!

「サッチャン。」

かわいい声でちゅくちゅくちゅんちゅん鳴きながらも、私の名前を呼ぶ時は義人さんの低い声になるいざやくん。

義人さんの愛を伝えてくれる青い鳥……。

「……さっちゃん。」

ためらいがちに、背後から私を呼ぶ低いイイ声。

振り返るまでもない。

義人さんだ。

みんなが口々に、義人さんと希和子さんに、おかえりなさいの言葉をかける……。

私も、自然と笑顔で振り返った。

「お帰りなさい。」

うれしいのに……涙がポロッとこぼれた。

薫くんが黙って、ポケットチーフで涙を拭いてくれた。

「……ありがとう。薫くん。」

優しい笑顔の薫くん。

もう……幸せ過ぎて、胸がいっぱいだ……。

私の手から、鳥のいざやくんが飛び立った。

「おっと……。危ないで。いざや。」

義人さんが、さっと跪いて、ひょろひょろと落ちるいざやくんをキャッチした。

そして、私を見上げて言った。

「……ただいま。」

笑顔が……まぶしい……。