小夜啼鳥が愛を詠う

てか、何か、後出しジャンケンされた気分。

……おじいさまって……ご自分がパパのお店に来るだけじゃなくて、幾重にも私達の生活に網を張っていたのかしら。

怖~~~~。

こうなってくると、お義父さんの頼之さんと実の父の竹原さんが同じゼミになったってのも、おじいさまが裏から手を回したんじゃないかって思ってしまうわ。

……。

まさか……ね。

ははは。



「その頃のことは、僕はよく知らないけど、妻はだいぶあおいちゃんに助けてもらったみたいで、今も大切なお友達だと思ってるよ。僕らの結婚式にもご夫婦でわざわざ東京まで来てくださって。」

天花寺さんはニコニコとそう言った……んだけど……多少の含みを感じたのは気のせいじゃないだろう。

何か、複雑そうなので、あまりツッコんで聞かないことにしよう、うん。

「そうでしたか。義母に報告します。次は奥さまにも是非お目にかかって、ご挨拶させていただきたいです。」

そう言うと、横からおじいさまに肘でつつかれた。

「由未は、桜子の実の叔母だから。奥さまじゃなくて、おばちゃん。」

「……まだお会いしたこともないのに、そんな……。」

思わず、おじいさまにそう文句を言ってしまった。

イロイロ性急過ぎるよぉ。

しかも、誰がどこまで、私の存在をご存じなのかもよくわかんないし。

「いや。妻もそのほうが喜ぶと思います。仲良くしてやってください。」

天花寺さんは笑顔を崩さずそう言った……んだけど……やっぱり、心が見えない……。

怖いよ~~~。

「さて。……本来ならお濃茶なんですが……桜子ちゃんが飲みづらいでしょうから、お薄にしますね。」

天花寺さんはすましてそう仰った。

……値踏みの結果、私が茶道にあまり詳しくないということがバレたらしい。

「……お気遣いありがとうございます。やはり、わかりますか?私的(してき)にお茶を点てていただくぐらいしか経験なくって。何か、粗相がありましたか?」

恥ずかしいけれど、そう聞いてみた。

「いや。充分!なあ?由未やまいらより、よっぽどお行儀いいなあ?」

おじいさまはそうおっしゃってくださったけれど、天花寺さんは苦笑された。