「んー。たぶん最初から?お兄さんは、僕の中ではさっちゃんに属するモノ?よくわからないけど、さっちゃんのことを教えたげなきゃ!みたいな使命感があった気がする。……似てるのかなぁ。あ。そうだ。お兄さんのお母さんは似てるよ。さっちゃんに。覚えてない?」
「……覚えてない。……癌だって。」
そう言ったら、続いてため息が自然に漏れ出た。
「うん。……手遅れになる前に、お会いできるといいね。すごく、優しいヒトだったよ。」
光くんの言葉はこだまのように私の中に反復した。
何度も何度も……。
「あれ?電話だ。……ん?明田さん?……さっちゃん、出てくれる?」
運転中の光くんは、自分のスマホを私に手渡した。
私はスピーカー機能にして光くんにも聞こえるように電話に出た。
「はぁい。……もしもし?明田先生ですか?古城です。今、光くん、運転中なので代わりに出ました。どうされましたか?」
スピーカーから聞こえてきたのは、明田先生じゃなくて、野木さんの声だった。
いや、すぐそばに明田先生もいるのだろう。
ぶつぶつと声が聞こえてきていた。
『さくら女?野木だけど。昨日はありがとう。でも、ごめーん。離婚するかも。』
あっけらかんと、野木さんは信じられないことを言ってのけた。
「はっ!?何言ってるの?なんで?早速、喧嘩したの?」
『……喧嘩?あれ、喧嘩なのかな。やー、勢い?……ね、これから小門弟の試合なのよね?野木も、そっち行く。』
びっくりした。
でも野木さんも心配だけど、薫くんの試合を見なわけにはいかない。
確かに、来てもらえるほうが私は助かる……か。
「うん。来て。……てか、明田先生も?来られるの?……まさか、野木さん……この期に及んで、明田先生と……。」
「ないない。さっちゃんは、どうしても野木さんと明田さんをくっつけたいんだね。」
隣で光くんがそうつっこんだ。
『……小門兄の言う通り。野木は、もう、報われない関係は嫌だから。……ついでに未練がましい男もこりごり。ゲイもマザコンもブラコンもシスコンもロリコンも勘弁だけど……いつまでも昔の片想い引きずってんの、一番うざい。』
最後は涙声だった。
明田先生も、光くんも、当てこすられて何も言えなくなってしまった……。
「……覚えてない。……癌だって。」
そう言ったら、続いてため息が自然に漏れ出た。
「うん。……手遅れになる前に、お会いできるといいね。すごく、優しいヒトだったよ。」
光くんの言葉はこだまのように私の中に反復した。
何度も何度も……。
「あれ?電話だ。……ん?明田さん?……さっちゃん、出てくれる?」
運転中の光くんは、自分のスマホを私に手渡した。
私はスピーカー機能にして光くんにも聞こえるように電話に出た。
「はぁい。……もしもし?明田先生ですか?古城です。今、光くん、運転中なので代わりに出ました。どうされましたか?」
スピーカーから聞こえてきたのは、明田先生じゃなくて、野木さんの声だった。
いや、すぐそばに明田先生もいるのだろう。
ぶつぶつと声が聞こえてきていた。
『さくら女?野木だけど。昨日はありがとう。でも、ごめーん。離婚するかも。』
あっけらかんと、野木さんは信じられないことを言ってのけた。
「はっ!?何言ってるの?なんで?早速、喧嘩したの?」
『……喧嘩?あれ、喧嘩なのかな。やー、勢い?……ね、これから小門弟の試合なのよね?野木も、そっち行く。』
びっくりした。
でも野木さんも心配だけど、薫くんの試合を見なわけにはいかない。
確かに、来てもらえるほうが私は助かる……か。
「うん。来て。……てか、明田先生も?来られるの?……まさか、野木さん……この期に及んで、明田先生と……。」
「ないない。さっちゃんは、どうしても野木さんと明田さんをくっつけたいんだね。」
隣で光くんがそうつっこんだ。
『……小門兄の言う通り。野木は、もう、報われない関係は嫌だから。……ついでに未練がましい男もこりごり。ゲイもマザコンもブラコンもシスコンもロリコンも勘弁だけど……いつまでも昔の片想い引きずってんの、一番うざい。』
最後は涙声だった。
明田先生も、光くんも、当てこすられて何も言えなくなってしまった……。



