「それ以前に、野木さんの結婚式参列に乗り気じゃないみたいだった。」
「ふーん?……桜子は?振袖?どれ着るん?」
薫くんは、私の着物にだけは、やたら興味がある。
着物フェチってことかしら。
「決めてない。成人式の時のか……謝恩会の時のか……」
「帯は、アレがいい。おばあちゃんの丸帯。」
突然、薫くんがそんなことを言い出した。
「まるおび?……ふくら雀とかのこと?」
丸く結ぶ帯のことかな、と私は適当に聞いてみた。
「違う違う。ほら、京都の舞妓の、だらりの帯、ってヤツ。かなり前にしたことあるで?覚えてへん?おばあちゃんに聞いたら、他にもまだ何本かあってん。日本舞踊習ってたから作ってんて。洗いに出して帯芯も交換してもろた。黒地のんは俺らの結婚式で使うとして、赤地のんと緑地のんは華やかでかわいいんちゃう?」
「俺らの結婚式……。」
頬がにやける……。
まあ、それはさておき、舞妓ちゃんの帯?
そういえば、道成寺の衣装風の着物と帯を着せてもらったことがあった気がする。
でも、あれは少し長めのお文庫って感じで、舞妓ちゃんほど長くなかったような……。
「普通の振袖にあんな帯していいの?しかも、私、成人してるよ?」
びっくりしてそう聞くと、薫くんはもっともらしくうなずいた。
「大丈夫や。今度持ってくわ。帯に合わせて振袖、選び。」
「ストップ!逆逆!帯より着物!新しい振袖、作ってるから!それ、着なさい。」
不意にパパが口を挟んできた。
「また作ってくれたの?もう充分なのに……。」
「これで最後。次は打掛だな。」
「それこそもったいない!貸衣装でいいってば!」
慌ててそう拒絶したけど
「白無垢も、色打掛も、赤と黒の本振袖もあるらしいで。ええやつが。おばあちゃんが、桜子に着てほしいって。マスター。」
と、薫くんに言われて、パパも私もそれ以上何も言えなくなってしまった。
小門家のおばあちゃん、真澄さんの着物は全てが作家モノの一級品だ。
それ以上のモノを今作ろうとすれば、一着で軽く高級車が買えるらしい。
「まあ……先のことはまた相談するとして、野木ちゃんの結婚式は新しく誂えた振袖になさい。」
パパは断固ゆずらなかった。
「ふーん?……桜子は?振袖?どれ着るん?」
薫くんは、私の着物にだけは、やたら興味がある。
着物フェチってことかしら。
「決めてない。成人式の時のか……謝恩会の時のか……」
「帯は、アレがいい。おばあちゃんの丸帯。」
突然、薫くんがそんなことを言い出した。
「まるおび?……ふくら雀とかのこと?」
丸く結ぶ帯のことかな、と私は適当に聞いてみた。
「違う違う。ほら、京都の舞妓の、だらりの帯、ってヤツ。かなり前にしたことあるで?覚えてへん?おばあちゃんに聞いたら、他にもまだ何本かあってん。日本舞踊習ってたから作ってんて。洗いに出して帯芯も交換してもろた。黒地のんは俺らの結婚式で使うとして、赤地のんと緑地のんは華やかでかわいいんちゃう?」
「俺らの結婚式……。」
頬がにやける……。
まあ、それはさておき、舞妓ちゃんの帯?
そういえば、道成寺の衣装風の着物と帯を着せてもらったことがあった気がする。
でも、あれは少し長めのお文庫って感じで、舞妓ちゃんほど長くなかったような……。
「普通の振袖にあんな帯していいの?しかも、私、成人してるよ?」
びっくりしてそう聞くと、薫くんはもっともらしくうなずいた。
「大丈夫や。今度持ってくわ。帯に合わせて振袖、選び。」
「ストップ!逆逆!帯より着物!新しい振袖、作ってるから!それ、着なさい。」
不意にパパが口を挟んできた。
「また作ってくれたの?もう充分なのに……。」
「これで最後。次は打掛だな。」
「それこそもったいない!貸衣装でいいってば!」
慌ててそう拒絶したけど
「白無垢も、色打掛も、赤と黒の本振袖もあるらしいで。ええやつが。おばあちゃんが、桜子に着てほしいって。マスター。」
と、薫くんに言われて、パパも私もそれ以上何も言えなくなってしまった。
小門家のおばあちゃん、真澄さんの着物は全てが作家モノの一級品だ。
それ以上のモノを今作ろうとすれば、一着で軽く高級車が買えるらしい。
「まあ……先のことはまた相談するとして、野木ちゃんの結婚式は新しく誂えた振袖になさい。」
パパは断固ゆずらなかった。



