経験者とは言え、ママが関わった頃から四半世紀が過ぎている。
ママはわざわざ昔のツテを頼り、いくつかの会のお手伝いをして顔つなぎとノウハウを学んだ。
パパは半分呆れつつも、ママの本気っぷりをおもしろがって見ている。
鳴り物入りでデビューしたみゆちゃんも、椿さんと同じ組配属となったし……ますます楽しみ。
金曜日は、県の総体で授業がなかった。
そしてサッカー部は準決勝。
多くの生徒や学校関係者が応援席に集った。
私ももちろん参加したけれど、今回は担当の教諭と一緒。
窮屈だったけど、これも学校行事。
我慢我慢。
その教諭は、やっと私に対する態度を緩和してくれた。
2度の模擬授業が的確でわかりやすかったと褒めてもらえた。
……たぶん、教頭から何らかのお口添えがあったのだろうけど。
実習は明日の半日で終わり。
あと、少しの辛抱だ。
「しかし今日は暑いな。」
担当教諭は、私と同じように、外での観戦が身体に堪えるようだ。
「先生。脱水症状にならないように、これ、飲んでください。」
私は保険のつもりで余分に買ってきたポカリを教諭に差し出した。
「……脱水症状?」
ピンとこないらしく、教諭は手を出さない。
「はい。恥ずかしながら、私、去年の夏、インターハイの会場で脱水症状になったんですよ。……先ほどから拝見してると、先生は暑がってらっしゃっても汗をかいてらっしゃらなくて……何となく顔色も優れないみたいです。念のために飲んでください。」
そう言うと、教諭は首を傾げながら受け取り、
「ありがとう。」
と、言って、ぐびぐびと500mlを一気に飲み干した。
「……自覚はなかったんやけど、干からびてたみたいやな。」
そう自嘲して、教諭は何度かうなずいた。
「なるほど。去年わざわざ九州まで行ったって?……既に家族ぐるみのつきあいと言うわけか。」
……光くんとつきあってる……と、認識したんだろうなあ。
私は嘘はつかないように言葉に気をつけて会話を続けた。
「私の父と、小門くんのおじいさまが親友なんです。生まれる前から家族ぐるみと言えるかもしれません。……小門くんが生まれた時にも、病院に駆け付けたんですよ。新生児の小門くんをよく覚えてます。……こんなに大きくなるとは思いませんでした。」
「ほう。それじゃ、弟のようなものだな。」
ママはわざわざ昔のツテを頼り、いくつかの会のお手伝いをして顔つなぎとノウハウを学んだ。
パパは半分呆れつつも、ママの本気っぷりをおもしろがって見ている。
鳴り物入りでデビューしたみゆちゃんも、椿さんと同じ組配属となったし……ますます楽しみ。
金曜日は、県の総体で授業がなかった。
そしてサッカー部は準決勝。
多くの生徒や学校関係者が応援席に集った。
私ももちろん参加したけれど、今回は担当の教諭と一緒。
窮屈だったけど、これも学校行事。
我慢我慢。
その教諭は、やっと私に対する態度を緩和してくれた。
2度の模擬授業が的確でわかりやすかったと褒めてもらえた。
……たぶん、教頭から何らかのお口添えがあったのだろうけど。
実習は明日の半日で終わり。
あと、少しの辛抱だ。
「しかし今日は暑いな。」
担当教諭は、私と同じように、外での観戦が身体に堪えるようだ。
「先生。脱水症状にならないように、これ、飲んでください。」
私は保険のつもりで余分に買ってきたポカリを教諭に差し出した。
「……脱水症状?」
ピンとこないらしく、教諭は手を出さない。
「はい。恥ずかしながら、私、去年の夏、インターハイの会場で脱水症状になったんですよ。……先ほどから拝見してると、先生は暑がってらっしゃっても汗をかいてらっしゃらなくて……何となく顔色も優れないみたいです。念のために飲んでください。」
そう言うと、教諭は首を傾げながら受け取り、
「ありがとう。」
と、言って、ぐびぐびと500mlを一気に飲み干した。
「……自覚はなかったんやけど、干からびてたみたいやな。」
そう自嘲して、教諭は何度かうなずいた。
「なるほど。去年わざわざ九州まで行ったって?……既に家族ぐるみのつきあいと言うわけか。」
……光くんとつきあってる……と、認識したんだろうなあ。
私は嘘はつかないように言葉に気をつけて会話を続けた。
「私の父と、小門くんのおじいさまが親友なんです。生まれる前から家族ぐるみと言えるかもしれません。……小門くんが生まれた時にも、病院に駆け付けたんですよ。新生児の小門くんをよく覚えてます。……こんなに大きくなるとは思いませんでした。」
「ほう。それじゃ、弟のようなものだな。」



