てか、好きな子とつきあおうよ?
好きでもない子に流されて、つまみ食いして、フェードアウトとか、最悪やん。
「信じられない。藤巻くんが、そんな不誠実なことするなんて……。」
薫くんが、慌てて私に補足説明した。
「違う違う。藤やんは、いい加減なことなんかしてへんて。ちゃんと大事にしようとしとるで。でも、余暇なんか、サッカーと寺の行事に引っ張り出されてゼロやん。カノジョと過ごす時間あらへん。家に連れてったら、玲子が値踏みして質問責めにするし、寺の行事に呼んだら、一緒に坂巻さんにこき使われるし。」
「……それは……お気の毒……。てか、玲子さん……値踏みって……。」
「今、玲子、茶道と華道と香道と書道習っとるねんて。で、藤やんがカノジョを連れてきたら、わざわざ江戸時代の狭い暗い茶室で抹茶たててもてなすねんて。怖すぎるやろ?」
「……うん。怖い。それ。でも、すごいねー。藤巻くんのこと、めちゃ大事に想ってるのねえ、玲子さん。」
わざわざプレッシャーかけるためだけに習い事をしてるわけじゃないだろうけど。
藤巻のおじさまに相応しくなろうと頑張ってるのかな。
「そろそろ戻ろうか?少し眠らないと、明日、寝不足の顔で挨拶するはめになるよ?」
光くんが呼びに来た。
「……挨拶、って?」
「挨拶は挨拶や。明日、桜子ん家(ち)で、ちゃんと挨拶するんや。」
薫くんは胸を張ってそう宣言した。
「……じゃあ私も。小門家に行く。おばあちゃんにお礼言いたいし。」
左手の薬指に目を落とす。
真夜中でも、その輝きは存在感を主張していた。
「あかん。寝とき。せめて身体が元に戻ってからにしぃ。……気持ちは、伝えるから。」
薫くんはそう言って、私を抱いたまま立ち上がった。
帰宅後、薫くんはうちの両親に「挨拶」して帰っていった……学生結婚の意志を伝えて。
「……私、身体弱いのかな。」
ベッドサイドのママに、そう聞いてみた。
「うーん。強くはないわね。スポーツもしてないし。貧血症気味かな。……てか、無理し過ぎ。雨に打たれたり、水分取らずに炎天下で観戦したり。普通はもっと防御するわよ。さっちゃん、我慢強過ぎるのかな。光くんも薫くんもたくましいからなあ。同じ感覚でいたら、そりゃ、さっちゃんはダウンするって。……もっと、甘えて、楽させてもらいなさいな。」
好きでもない子に流されて、つまみ食いして、フェードアウトとか、最悪やん。
「信じられない。藤巻くんが、そんな不誠実なことするなんて……。」
薫くんが、慌てて私に補足説明した。
「違う違う。藤やんは、いい加減なことなんかしてへんて。ちゃんと大事にしようとしとるで。でも、余暇なんか、サッカーと寺の行事に引っ張り出されてゼロやん。カノジョと過ごす時間あらへん。家に連れてったら、玲子が値踏みして質問責めにするし、寺の行事に呼んだら、一緒に坂巻さんにこき使われるし。」
「……それは……お気の毒……。てか、玲子さん……値踏みって……。」
「今、玲子、茶道と華道と香道と書道習っとるねんて。で、藤やんがカノジョを連れてきたら、わざわざ江戸時代の狭い暗い茶室で抹茶たててもてなすねんて。怖すぎるやろ?」
「……うん。怖い。それ。でも、すごいねー。藤巻くんのこと、めちゃ大事に想ってるのねえ、玲子さん。」
わざわざプレッシャーかけるためだけに習い事をしてるわけじゃないだろうけど。
藤巻のおじさまに相応しくなろうと頑張ってるのかな。
「そろそろ戻ろうか?少し眠らないと、明日、寝不足の顔で挨拶するはめになるよ?」
光くんが呼びに来た。
「……挨拶、って?」
「挨拶は挨拶や。明日、桜子ん家(ち)で、ちゃんと挨拶するんや。」
薫くんは胸を張ってそう宣言した。
「……じゃあ私も。小門家に行く。おばあちゃんにお礼言いたいし。」
左手の薬指に目を落とす。
真夜中でも、その輝きは存在感を主張していた。
「あかん。寝とき。せめて身体が元に戻ってからにしぃ。……気持ちは、伝えるから。」
薫くんはそう言って、私を抱いたまま立ち上がった。
帰宅後、薫くんはうちの両親に「挨拶」して帰っていった……学生結婚の意志を伝えて。
「……私、身体弱いのかな。」
ベッドサイドのママに、そう聞いてみた。
「うーん。強くはないわね。スポーツもしてないし。貧血症気味かな。……てか、無理し過ぎ。雨に打たれたり、水分取らずに炎天下で観戦したり。普通はもっと防御するわよ。さっちゃん、我慢強過ぎるのかな。光くんも薫くんもたくましいからなあ。同じ感覚でいたら、そりゃ、さっちゃんはダウンするって。……もっと、甘えて、楽させてもらいなさいな。」



