小夜啼鳥が愛を詠う

「なあ、気ぃついてた?」

薫くんの腕の中で幸せにまどろんでると……寝てしまいそう。

「なぁに?」
「……桜子、極限状態では関西弁なんやな。初めて聞いたかも。めっちゃ新鮮。……かわいかった。」

え?

「自覚ない……。ホント?」
「ほんまほんま。めっちゃ関西弁イントネーションで、いややぁ!って喚いてたで。」

くすくすと笑って、薫くんは自分の上に私を抱き抱えて、ゆらゆらと揺れた。

人形みたいに揺らされてる自分の身体が、ちょっと恨めしかった。

……全身が重くて、自分では動かせないのに……。

絶対筋肉痛になるわ。


「腹へった!」
不意に薫くんが、私を抱えたまま起き上がった。

「……とっくにお昼過ぎてそうね。」
私は薫くんに身体を預けたまんま、ぼーっとそう言った。

「げ。3時回ってる!……腹へるはずや!飯、喰おう。」

薫くんは、私を自分からそっと離す……と、私はパタンとベッドに倒れた。

「……無理。起きられない……。ごめん……。」
「いや。ゆっくりしとって。弁当取ってくるわ。……シャワーも無理っぽい?」
「……シャワ~~~~~。」

そう叫んでみたけれど、やっぱり動けなかった。

しばらくして薫くんがウェットティッシュとママのお弁当を持ってきてくれた。

薫くんは、まるで病人の世話をするように私の口にせっせと食べ物を運んでくれた。
身体も綺麗に拭いて、着替えさせてくれた。

「ほな、俺、風呂行ってくるけど……次は、一緒に入ろうな?」
「……いやゃ。恥ずかしい。」

返答に困るわ。

……ほんとに、みんな、こんなに恥ずかしい行為をしてるんだろうか。

思い出すと、ジタバタしてしまうよ。

頬が熱い。
身体が……まだ熱い。

てか、熱でも出てるのかな。

……あ……なんか、また出血してる?

大丈夫かな?
こういうものなのかしら。

多少不安に思いながらも、私は疲労感と睡魔に負けて泥のように眠った。

夕べ緊張してあまり眠れなかったせいもあるかもしれない。

まるで全身がベッドに溶け込んじゃったかのように、身動きもできなかった。



ひたいにひんやりと冷たさを感じた。

気持ちいい……。