小夜啼鳥が愛を詠う

拒絶の涙と嗚咽が、自分でもわかるぐらいの甘い声に変わってしまう。

「……味が変わってきた。血以外の味。」
薫くんがうれしそうにそう報告する。

「やだ……言わんといて……恥ずかしい……。」
「わかった。集中するわ。」
「ちがっ!そうじゃな……いややあぁぁ。」

言葉通り、薫くんは根気よく、私を舌と唇で刺激し続けた。

いったいどれぐらいの時間が過ぎたのだろうか。

過呼吸?
息が上手くできない気がする。

全身が汗だくになってる。

何だか、両手も両足も、すっごく力が入って……攣りそう。

気持ちいい……って意味はよくわかった。

でも、だんだん、何か、つらくなってくるというか……。

「やっ!薫くん!変!無理!やめてぇっ!」

急に恐怖心でいっぱいになって、私はジタバタと暴れ始めた。

「……大丈夫やから。」
薫くんはそれだけ言って、また作業に熱中した。

私は枕を抱えて、目をつぶり、歯を食いしばって、全身をうーんと伸ばすようにのけぞって……弾けた。

身体があり得ないぐらい跳ね上がり、ガクガクと全身が痙攣した。

慌てて薫くんが上から覆い被さって、ぎゅっと抱きしめてくれた。

汗だくなのに、ぶるぶると震えて、呼吸が整わなくて……。

……気持ちよすぎた……。

「俺のん!」

薫くんはそう言って、額に、頬に、唇に……キスの雨を降らせた。

……変な味。
血と、体液と、ちょっとだけゴムの香り?

ううう。
恥ずかしすぎる。

また涙が出てきた。

「え?なんで?痛い?」

薫くんにそう聞かれて、私は口を尖らせた。

「痛いの忘れるぐらい恥ずかしい。わけわかんない。自分の身体じゃないみたいで、怖い。」
「……気持ちよかった?」

……ずるい。

気持ちよくないわけない。

あんなの……ひどい。

私はぐしぐし泣きじゃくって、薫くんにしがみついた。

私の身体は火照って熱いけど……薫くんの身体はエアコンでひんやりと冷えていて……とても心地よかった。


「たぶんもう痛くないと思う。」
そう言って、薫くんは再びゴムに手を伸ばした。

……確かに……痛みはなかった。

てか、これって、けっこう……イイかもしれない……。

そんな風に思ってしまった。

薫くんも二度目で余裕があるのか、今度は私の反応を見て、話し掛けたり、キスしてくれたり……

「ずっと、こうしたかった……。」

しみじみそう言われて、私も幸せで満たされた。