まだ試合に間に合う!
お礼を言ってスタンドに戻ると、ちょうどハーフタイムが終わって、後半戦が始まったばかりだった。
人気(ひとけ)がない日陰にゆったりと座る。
両サイドから、光くんとママが、ゆるゆると団扇で風を送ってくれていた。
私はまるでクレオパトラのようにかしずかれていた……らしい。
快勝した後に、薫くんが飛んできてくれた。
「どうしたん?大丈夫け?」
「……うん。脱水症状起こしたみたい。ごめん。半分しか観られなくて。でも、よかった。勝ってくれて、ほっとした。明日はちゃんと応援するから。」
私がそう言うと、光くんが眉をひそめた。
「さっちゃん、本気?ゆっくり休んだほうがいいよ?」
「……休む。今晩ゆっくり。明日のゲームは午後の2ゲームめよね?それまでゆっくりしてるから。」
私は、光くんとママにそうお願いした。
「泊まるの、バス泊?しんどないけ?」
薫くんは私の前にしゃがんで、心配そうに下から見上げてそう聞いた。
「ううん。玲子さんたちの泊まってる部屋に混ぜてもらうことにしたの。私だけ、申し訳ないけど……。」
今回のバスツアーは、連勝に変則的に対応する。
明日の二回戦を続けて応援したいけれど自前で近くに宿をとれない参加者は、夜に公衆温泉に送迎してくれた上でバスに泊めてくれる。
もちろん、仕事や何らかの都合で今夜帰るバスも出るし、明日の二回戦の応援のために今夜神戸を出発する第2便もスタンバイしてるらしい。
「うちは、おじいちゃんとおばあちゃんが、さっちゃんママと一緒に新幹線でこれから帰宅して、明日また来るって。お父さんとあーちゃんと僕はバス泊。ほとんどの父兄はバス泊だよ。」
光くんの説明に、薫くんは何とも言えない顔になった。
「……そこまでして応援してもらえるて、ありがたいけど……申し訳ないな。ごめんな。無理させて。」
恐縮する薫くんに、ママがニコニコ言った。
「あら。みんな、好きでやってるのよ。無理しても、晴れ姿が見たいの。私も、明日も来るわ。……だから、薫くん、もっと活躍してね。昔、お父さんの頼之くんはすぐ見つけられたのに、薫くんは埋もれてるわよ。」
「お、おうっ!……ほな、行くわ。桜子!あとで!」
ママに発破をかけられて、薫くんは慌てて行ってしまった。
お礼を言ってスタンドに戻ると、ちょうどハーフタイムが終わって、後半戦が始まったばかりだった。
人気(ひとけ)がない日陰にゆったりと座る。
両サイドから、光くんとママが、ゆるゆると団扇で風を送ってくれていた。
私はまるでクレオパトラのようにかしずかれていた……らしい。
快勝した後に、薫くんが飛んできてくれた。
「どうしたん?大丈夫け?」
「……うん。脱水症状起こしたみたい。ごめん。半分しか観られなくて。でも、よかった。勝ってくれて、ほっとした。明日はちゃんと応援するから。」
私がそう言うと、光くんが眉をひそめた。
「さっちゃん、本気?ゆっくり休んだほうがいいよ?」
「……休む。今晩ゆっくり。明日のゲームは午後の2ゲームめよね?それまでゆっくりしてるから。」
私は、光くんとママにそうお願いした。
「泊まるの、バス泊?しんどないけ?」
薫くんは私の前にしゃがんで、心配そうに下から見上げてそう聞いた。
「ううん。玲子さんたちの泊まってる部屋に混ぜてもらうことにしたの。私だけ、申し訳ないけど……。」
今回のバスツアーは、連勝に変則的に対応する。
明日の二回戦を続けて応援したいけれど自前で近くに宿をとれない参加者は、夜に公衆温泉に送迎してくれた上でバスに泊めてくれる。
もちろん、仕事や何らかの都合で今夜帰るバスも出るし、明日の二回戦の応援のために今夜神戸を出発する第2便もスタンバイしてるらしい。
「うちは、おじいちゃんとおばあちゃんが、さっちゃんママと一緒に新幹線でこれから帰宅して、明日また来るって。お父さんとあーちゃんと僕はバス泊。ほとんどの父兄はバス泊だよ。」
光くんの説明に、薫くんは何とも言えない顔になった。
「……そこまでして応援してもらえるて、ありがたいけど……申し訳ないな。ごめんな。無理させて。」
恐縮する薫くんに、ママがニコニコ言った。
「あら。みんな、好きでやってるのよ。無理しても、晴れ姿が見たいの。私も、明日も来るわ。……だから、薫くん、もっと活躍してね。昔、お父さんの頼之くんはすぐ見つけられたのに、薫くんは埋もれてるわよ。」
「お、おうっ!……ほな、行くわ。桜子!あとで!」
ママに発破をかけられて、薫くんは慌てて行ってしまった。



