小夜啼鳥が愛を詠う

光くんは、パパに笑顔を見せた。

「大丈夫ですよ。マスターが心配するようなことは、僕がさせませんよ。阻止します。それこそ、薫も、さっちゃんも、お子ちゃまですから。」

……憮然としちゃうなあ。

光くんの言いたいことはわかるけど、ちょっと失礼じゃない!?
どうせ私は、お子ちゃまですよーだ。

「いや。さっちゃんはともかく、薫くんが盛(さか)るのは、時間の問題だろう?」
パパは不満そうにそう言った。

さかる……って……性欲のことよね……
やだ、もう。
パパがそんなこと言うなんて……。

私は、両頬を手で挟んで、ドキドキに耐えた。

熱い……。
恥ずかしいよー。

「どうかな。……いずれにしても、薫ががっついて、さっちゃんを押し倒す機会も時間も与えないように、僕が気をつけますよ。」
光くんは、そんなことをパパに請け負った。

パパは、むーっとしてたけど、がっくりと肩を落とした。

「……薫くんのことも……光くんのことも、頼むよ。……なにより、さっちゃんを傷つけないでくれ。」

うめくようなパパの嘆願が、切なかった。
でも光くんは微笑すら浮かべていた。

……あ、そっか。
今、話してるのって……光くんじゃなくて、彩瀬さんなんだ?

「あの……今、光くんは……。」

そう話しかけようとして……やめた。

正直なところ、私には、パパほど、光くんと彩瀬さんの区別がつかない。私に見る目がないのもあるかもしれないけれど、たぶん、彩瀬さんも、光くんも、私に対しては気を遣ってるんだと思う。

本心……というか、性欲とかは、私には絶対に見せないもん。

優しいし、子供の頃からと同じようにスキンシップ過多だけど、全然やらしくない。

たぶんこれからもずっと……彩瀬さんも、光くんも……私を見守ってくれるのだろう。

くすぐったいような気もするけど、幸せ。
同時に、私も!って思う。

守られてるばかりじゃなく、光くんを……彩瀬さん込みの光くんを、サポートしたい。
対等にはなれないかもしれないけど、一方的じゃない、いい関係を作っていきたいから。

「わかった。薫くんに告白する。それから、ずっと光くんのそばにいる。」

私がそう宣言すると、パパはため息をつき、光くんは満足そうにうなずいた。

……結局、光くんの思い通りに進んでるんだろうな。