小夜啼鳥が愛を詠う

うわぁ……。
着物もかわいいけど、お顔もかわいい!
絵に描いたようなパッチリとしたおめめの美少女だ。

見とれてると、彼女と目が合った。
ドキッとした。
ら、彼女の目がキラリと光った……気がした。

ん?
……こっち、来る?

え?

彼女は笑顔で突進してくると、何と、薫くんの左腕に手を絡めた!

何で!?

「わっ!」

突然、腕を捕まれて、薫くんは声をあげて、振りほどこうとした。
……てか、勢い余って、私のほうがはじき飛ばされてしまった。

ああっ!

「おっと!危ない!」
慌てて光くんが私を抱き止めてくれた。

「……ありがと。光くん。」

お礼を言いつつも、私の目は薫くんにしがみついてる女の子に釘付け。

誰!?
薫くんの……お友達?

「薫!急に行っちゃうの、ひどい!みゆも一緒に行く!」

みゆ……この子の名前?
名前まで可愛いんだ……。

てか、薫くんのこと、呼び捨て……。

「みゆ!くっつくな!邪魔やっちゅうねん!もう!……未来さーん!」

薫くんは、ぶんぶんと腕を振るんだけど、みゆちゃんは絶対に薫くんを放そうとしなかった。

みらいさん、は、佐々木未来くんよね?
じゃあこの子は?

「みゆちゃん。お着物汚れるわよ。」
光くんママがみゆちゃんをたしなめた。

……光くんママも知ってるの?
いったい、どういうことだろう……。

「はい、おばさま。でも薫が急にいなくなるんですもの。」
みゆちゃんはクリクリした目で上目遣いにそう言った。

……それでも薫くんから離れる気はないらしい。

「ちょー!放せや!」
薫くんは、みゆちゃんの肩をぐいっと押して、自分の腕から引き剥がした。

「もう!薫ってば乱暴!照れなくてもいいのにぃ。」

みゆちゃんは不満そうにそう言って、それから不思議そうに私を見た。
その目がキラキラと輝く。

「綺麗なお姉さま。光お兄さまの恋人ね!素敵!美男美女って感じ!」

……ほめられたみたい……なんだけど……複雑な気持ち。
みゆちゃんに会釈する頬がこわばってるのを自覚した。

「あの。光くん、このお嬢さん……」
とりあえず、聞いてみる。

すると、みゆちゃん自身が一歩前に出て自己紹介してくれた。
「はじめまして。佐々木みゆです。よろしくお願いします。」

佐々木……みゆ……。