材料を買い家に着いた時にはもう午後7時。



急いで作ったオムライスは形が崩れお世辞にも綺麗とはいえないようなものになってしまった





「ごめん。見た目悪くなっちゃった。」






コトリっと小さな音を立てダイニングテーブルの上に皿をのせる



キラキラと目を輝かせる零にはオムライスの形が見えていないのかもしれない







「いただきます!」


「あ。うん。どうぞ」







大きな音をたて両手を合わせると素早い動作でスプーンを使い、口に含む




緩みきった頬いっぱいに詰め込みふにゃりと表情を変えるところをみると味は大丈夫らしい






「あんまり一気に食べるたら喉につまらすよ?」


「ん。美味しいから…ムグッ……止まらない」


「そう?それは良かった」








"美味しい"という零の言葉に嬉しい気持ちが心を満たす




弟のと比べると1回りほど小さい私のに手をつける




うん。味は問題ないか。

でも、零の反応はいささか大袈裟すぎるきがする





さっさと食事を済ませた私達はソファーに座り何を見るわけでもなくとりあえずテレビをつけた





今思うと2人並んで小さめのソファーに座るのは昔から変わらないな。



ぴったりとくっつく腕に安心感をもっているのはやっぱり弟だからなのだと思う







「そういえば姉さんは体育祭何に出るの?」



「リレーと二人三脚と玉入れ。これ以外の種目には出る気ない」



「はは、出る種目は中学から変わらないんだね」





コロコロとチャンネルを変えるが面白そうなのは特にやってなさそう



テレビがダメなら携帯。
という考えの私はそばにある携帯を手にとった





(茜:超イケメンじゃない!?連絡先ゲットしちゃいましたー✌)


(杏璃:体育祭義弟くん何色?)


(翔夜:体育祭何出るんだ?)






この季節になると毎回とび出る体育祭の話題



運動神経のない私からしたら地獄の行事なんだけどね