「ダメ。家帰ったら話ぐらいいくらでもできるから。ね?」


「はぁっ?!!何いってんの!?私、優葉の家まで行けないよ?ここでしてもらわないと困るんだけど!」


「いやいや!ちょっと黙ろうか杏璃さん!」




まさかの人が一番大きな反応をみせこちらも声を荒らげてしまう




零はと言うとうるうると目を潤ませ私を下から覗き込む



そんな可愛らしいことしても無駄だからね!!





「優葉さーん。話の途中で未読無視とはどういうことですかー?」





再び教室に戻れと開いた口は不満の声に重ねられ音を発することなく閉じた



今朝と同じように頭上に頭を置いて体重をかけてくるその行動とすでに忘れていた携帯を思い出させる言葉にイラッとする





「携帯没収されたからしかないじゃん!」


「はぁ?没収?馬鹿だろお前」


「馬鹿じゃないし!」




売り言葉に買い言葉で始まった言い合いに小さくため息をつく杏璃




その様子はまるでまた始まったよとでも言いたげだ


あ、零帰さなきゃいけないんだ



2言、3言続いた言い合いに早めに終止符をうち少しむくれた顔の弟へと向かう



「ほら、零は早く教室に戻りなさい。もうチャイムなっちゃうよ?」