「うん、玲奈おはよー」


「ちょっとー! 目隠し意味ないじゃん! もっと悩んでよー」



 そう後ろの席で文句を言っているこの子、本宮玲奈(もとみや れいな)は私の親友だ。



ぱっつんと切りそろえれた前髪。


きれいなストレートの黒髪は、窓から入ってくる春風で、微かに揺れている。


透き通るような白い肌をしているが、玲奈はバドミントン部に所属しており、決して病弱ではない。


寧ろ活発過ぎるくらいだ。


部でも活躍しているのだろう。
よく知らないけれど。


背は150センチほど。


小さな体でこうして頬を膨らませている姿は、誰が見ても微笑ましい……と思う。



玲奈と私は、性格も趣味も真逆だが、不思議と馬が合い、今に至る。
  



「今日は挨拶しなくていいの?」




そういってニヤニヤしながら私に問いかける玲奈の視線の先には、
 


教室の入口で男子たちと話す神崎透(かんざき とおる)の姿があった。