……あれから、帝翔くんは近づいてこなくなった。



あたしが避けてるっていうのもあるけど、とにかく会わなくなった。




今まで毎日のように見てきたケンカも、何故かピタリとしなくなって。



……姿さえも、見なくなった。







「……なんかあった?」


「……え?」



いつも通り寝てるだけなのに、依智佳はそんなことを聞いてきた。


あたしはゆっくりと体を起こす。





「なんで?」


「なんで、って聞かれてもわかんないけど……。何しててもテンション下がってる気がする」


「……そんなことないって。普通だよ」