……怖いのか、瞬きもせずに俺を凝視している。


肩なんか異様に上がってるし……。





別に、獲って食おうとしてるわけでもねぇのに。




心の中でクスリと笑いを零しながら、俺は冗談半分で口を開く。






『……痛いんだけど』


『……はい?』


『挫いたっつってんの。どう責任取ってくれるわけ?』




もちろん嘘。


いや、痛いのは一部本当だけど挫いてなどいない。



ていうか挫くぐらいなら慣れてるし。





そんなことも知らず、『責任!?』なんて無駄にデカい声を出す彼女に。




チュッ……と、前より深く口づけた。