重ねたくなったんだ。


小さく開く、綺麗な唇に。




いつも女にするような、深いヤツはしない。



だた、触れるだけのキス。





……不思議な感覚だった。



自分からキスしたいと思って、自らキスをしたのは初めてだったから……。













数日後、俺は階段で誰かと衝突した。




『ってぇ……』



予想もしていなかったものだから、珍しく俺は後ろに吹き飛ばされた。




すると。



『っすいません‼あたしが急いでたせいで‼』



近くから女の声。



鋭い瞳を向けながら瞼を開くと、そこには数日前に裏庭にいた彼女がいた。