女と遊んでは噂が流れ、噂が流れてはケンカをする。



人としては少々外れた循環が、俺の中ではできていた。





だけどあるとき、それはいとも簡単に崩された。






ケンカを終え、ちょっと休もうと裏庭に立ち寄った時。




いたんだ、無防備に眠るアイツが。





ナチュラルメイクで素顔に近い綺麗な顔に、俺は目を奪われた。


俺が知っている女とは違う、少女のような寝顔。



近づくと、いつも香るはずの香水の香りがせず、代わりにシュンプーの清潔な匂いがした。



そっと額に触れると、小さく反応する彼女に……。






『……馬鹿だろ、お前』




そう囁き、吸い寄せられるようにキスをした。