『帝翔、くん……』



そう言った千咲の掠れた声が、頭から離れない。


脳裏に焼き付いて、四六時中思い出す。




今にも泣きそうな、今まで見た中で一番悲しそうな顔。


唇は振るえ、明らかに恐怖心を持っていた。







……俺がさせた。






大きな後悔の念にかられる。



なんで“アイツら”を、あんなところでやっちまったんだ……?


別に他んとこでもよかったのに……。





「……はぁ」



自分の部屋であぐらを組みながら、俺は一人ため息を零す。


これで今日ため息をつくのは何度目だろう…。



そう思うと、またため息が出た。