もっと早く帰っていれば、あんな帝翔くんを見ずにすんだの?


もっと遅ければ、こんな思いせずにすんだ?


悲しくて虚しくて、心にチクンと刺すこの痛みを、経験せずにすんだ……?






「……帝翔、く……っ」





自然と漏れる声。


思い出す、さっきの悲しそうな顔。





でもそんなこととは裏腹に。















あたし…………







帝翔くんが怖いよ…………。