その間にも凄まじい乱闘が繰り広げられる。





ーーガッ



ーードカッ





「……っ‼」



なるべく見ないようにきつく目を瞑る。


耳も同様に塞いだけど、どうしても音は指の間をすり抜けて鼓膜を小さく振動させる。



恐怖で、何も考えられなかった。





ずっと悲鳴を上げていた膝が限界を向かえ、あたしはその場に崩れた。


持っていたカバンが重く地にのしかかり、低い音を上げる。





その音がしてから、あたしの大嫌いな音がピタリと止んだ。



……?



疑問に思いながらも、あたしは恐る恐る瞼を開く。





すぐに後悔した。