ーーキーンコーンカーンコーン……



始業を告げるチャイムが鳴る。


ガヤガヤと騒がしかった校舎が一転、シーンとした空気に包まれた。




それをチラリと横目で見た後、あたしは膝を抱えたまま依智佳の顔を覗きこんだ。





「……いいの?」


「何が?」


「何がって……授業」




あたしと違って依智佳は滅多に授業とかサボらないし、遅刻もしない。


実際そんな姿を見たことも無い。



そこらへんキッチリしてて、すごいなって思う。




そんな依智佳が授業サボるなんて……。