「キスしていいんだ?」



不気味に口角を上げながら“ん?”と言うキス魔。


チラリと視線を移すと、クラスのみんなが男女構わずこちらを凝視していた。




は、恥ずかしいんだってば……!!




プイッと顔を背けて目が合わせられないでいるあたしとは裏腹に、黒崎帝翔は真っ赤に染まったあたしの頬にそっと触れた。




「早く言わねぇとマジでするぞ?」


「―――~~ッ」




そんなこと普通の人に言われたら絶対冗談だと思うけど、この男ならやりかねない。


実際、二回もキスされたわけだし……。