「千咲っ」


「ギャア―――ッ‼」


「だぁーから、毎回その反応やめろって」


「じゃあそれするのやめてよっ!?」


「やだね」





休み時間、ぐっすりと眠りについていると背中に感じた人の体温。


あたしはガバッと飛び起きた。




後ろからギュッと抱きしめられながら、腕の中でワーキャー騒ぐあたし。



後ろの男はさも冷静に言葉を続け、あたしの声を押さえ込んだ。








あの出来事があってから、この男はいつもこんなかんじ。


いつでもどこでもお構い無しに抱きついてくる。



しかも呼び捨て。


もちろん勝手に。