不機嫌そうに顔を歪め、黒崎帝翔はあたしの顔を強く睨む。



それでもあたしは負けなかった。





「そんなことしても何も変わんないでしょ……?」


「じゃあお前いいのかよ?こいつらはお前のことヤろうとしてたんだぜ?」


「……っ」




黒崎帝翔の言ったことに、あたしは言葉を詰まらせた。





殴らないでほしいとは思ってる。


怖いし、血を見るのも大嫌い。




……だけど、街に……ホテル街につれていかれそうになったことは、別にいいやって言って流せない。



黒崎帝翔が来てくれなかったら、きっとあたしは犯されてた。