そして倒れこんだ男の胸倉をつかみ、これでもかというくらい殴り倒す。


殴られた男はぐったりと頭を傾け、口からは赤黒い液体が流れ出していた。



それでもその人は自分がしている行為をやめようとしない。





「やめて‼あたし大丈夫だから‼その人死んじゃうよ!?」



怖いのをグッと我慢し、あたしは殴りかかっている男の腕を必死で掴んだ。




ケンカ好きで、ムカついたら殴らずにはいられない……





「……あぁ゛?」





―――黒崎帝翔の腕を。