ーーガッ‼!



「い゛ッ!?」


「どけよ。邪魔」




強烈な勢いと共にあたしの目の前に吹っ飛んだ男。


なんとも間抜けに地面に叩きつけられた。



さっきまで腕に感じていた圧迫は嘘のように引き、血がうまく通い始めている。


あたしは反射的に後ろを振り返った。





え……、なんで……?





すると蹴られていない、もう一人の男が恐る恐る口を開いた。





「お、お前……もしかして……っ‼」


「そ。そのもしかして」




にっこりと男に笑顔で返すと、“その人”は再び凄まじい音をたてて男を殴りつけた。