―――――――― ―――― 「……ちーさき?」 「んぎゃあ―――ッ‼」 「んだよ人をゴキブリみたいに……」 下校途中。 いつも通り一人で帰っていると、いきなり後ろから抱きつかれた。 声質からして、確実にあの男。 黒崎帝翔。 もちろんあたしは大発狂した。 近くを通りかかった人たちが“なんだなんだ?”と少々困惑気味にこちらへ視線を向ける。 黒崎帝翔はそんなの全く気にすることなく、スッと肩に手を回して隣に移った。 「じゃ、案内してもらおうか?千咲んち」