キス魔なヤンキーくんの甘い罠

はぁ、とため息交じりであたしに落ちた声。


聞き覚えのあるその声に、あたしはバッと体を起こした。





「ったく……、人が気持ちよく寝てんのに……」



男もめんどくさそうに木にもたれかかっていた背中を離すと、前と同じ視線であたしを見据えた。





「あんた………っ‼!」



金髪も怖い瞳も、すべて正真正銘、あの男そのものだった。



“あんた”と呼ばれたことが気に食わないのか、一瞬ピクリと顔を歪める。





「“あんた”、ねぇ……。
お前、俺が誰だかわかって言ってんの?」



クスッと小さく笑う辺りがまた恐ろしい。


口元は笑っているけど、瞳はまだ鋭いまま。