心の中で問うけど、そんなのは届くはずもなく胸の中へと消えていった。




『……馬鹿だろ、お前』



近くで声がする。

ちょっぴり低い、ハスキーな声。


声質からいくと……多分、男の人なんだと思う。



その人はあたしに顔を近づけ……




あたしの唇に口づけた。






そのなんともリアルな感覚にあたしは驚いて目を覚ましたけど、辺りには人影すらなく夢だったのだと確信した。



もちろんこんな夢を見たことの無いあたしの心臓はバクバクと鳴り、頬が熱くなった。