声を出してはいけないと
咄嗟に思った…。
気付かれないようにして
旧校舎から出なければ…

もしかすると
この怪談は本当?――…

でも、平常心を取り戻して
掴んでいる手を強く握った。
手が汗ばんでいる…
見ると俊也の顔はだらだらと
汗をかいていた

(どうか…
何事も起きませんように…)

―――…