「ふ〜ん…旧校舎って
こんなんなんだな〜…木造?
…耐性は大丈夫なんかなぁ…」
不安げになった声の先は
懐中電灯の光で照らされた
廊下の木の柱に向かって響く…
「大丈夫でしょう?耐性不十分の
建物を残しておくなんて、
学校側としてなってなさすぎだし」
「あぁ!まぁそうだわな」
納得したのか俊也の顔が
好奇心のある少年のような
表情に戻った。
カツン...カツン...
静かな廊下に響く2人の足音に
「ねぇ…なんだか不思議な気分ね」
「あぁ…なんかゾクゾクする。
俺達、いけないことしてるみたい」
ぷっと俊也が吹き出す…
どうやら言っていながら
「いけないこと」という響きが
ツボにはまったみたい。
「ははははっ…」
「ぷふ…私達…いけない子ね?」
私も可笑しくなってきて
2人して笑いあう
この光景は端から見たら
なかなか不気味だろうな。


