「……で、その男と
再会の約束をしたんだ」

「……」
聞いた2人は拍子抜けといった
顔をした。
でもすかさずキリリと眉に
力を込めた江莉が

「…安心してはダメ…
相手は…幽霊だったんでしょ?!
もしかしたら、安心させておいて
後々に豹変するかも
しれないじゃない!」

言った言葉にも頷ける。

―キーン

コーン―

―カーン…

予鈴がなったが4人共
右から左へ受け流した。

「そうね…私もまだ
気は抜けないと思ってる」
志穂は同感しつつも

「でも…危害を加えるならば、
私達が気を失っていた
あの間こそ狙い目だったはず…」

「そう…かもしれないけど…」

「それに、再会を
口約束したのは…
幽霊を怒らせては
危険だと思ったから…
その方が身を守るには
賢明かなって…」

そうか…
志穂と江莉の考えはわかった。

俺はこの時、2人とは
異なることも思っていた…
まだ口には出さないけどな…。