「赤…黒い?」
「うん。あの廊下やけに
長かったじゃん。
遠くにだったからさ…
はっきりとは…
でも、そう見えたの」
「…ふぅん…
結局、怪談てのは今みたく
“なんとなく、そう見えた”
って話なのかもな」
「ね…」

ふぅ…と息をついて

「んじゃ、帰りますか」

「………」

「……」

あれ? 足が…動かない?…

「え?ちょ、なんで?!」
「あれ?…俊也も?!…」

再び不安に包まれたその時――

「う…えっ…なっ志穂っ
…後…ろ…」