「よし、これで今日は終わり。気をつけて帰れよー。」
はぁーー、緊張した。
今日これからどうしようかな。
「坂井さん、だっけ?」
その時、隣の席から声がかかった。
「そ、そうだよ!どうかした?」
私はまさか話しかけられるとは思わなくて思いっきり噛んでしまった。
1人であたふたしてると隣から笑った声が聞こえてきた。
「なんでそんなに噛んでるのー。俺、そんなに怖い?」
「ち、ちがっ!」
うー、また失敗。
でもそんなことよりも。
陽斗君、声がかっこいいことに気をとられて全然気が付かなかったけど、すごく整った顔してるんだなー。
さらさらで綺麗な黒髪、ぱっちり二重、形のいい唇。
そして春の優しい陽射しのような柔らかい笑顔。
