「なーに笑ってるんだよ、陽斗。」
「俺が笑っちゃわりーかよ。」
からかったような口調の親友“中岡優太(なかおかゆうた)”の言葉に少しムッとする。
「そうじゃなくて。陽斗が女の子関係で笑ってるのは珍しいなーって思ってさ。」
珍しい・・・か。
でもそうかもしれない。
「ほんと坂井さんって可愛いよなー。あのピュアな感じとかとくに!」
確かに。
あの汚れてない真っ白な感じとか、守りたくなるような感じ。
「よし、これで今日は終わり。気をつけて帰れよー。」
そんなことを考えているといつの間にか終わっていたらしいHR。
隣を見ると帰る準備をしている坂井さん。
考えるよりも先に動いた自分の唇。
気付いたときには遅かった。
