ピンポーン



「祈梨ー?朱里ちゃんたち来たわよ!」



下から、インターホンが鳴りお母さんの声が聞こえる。


でもこれは私、有原 祈梨(アリハラ イノリ)にとっては日常茶飯事だ。


「分かってるよ~、ちょっと待ってー」



私は自室でバタバタと急ぎながら、準備をする。


早くしないと!!


不十分な制服の着方は特に気にせず、鞄を机の上から徐ろにとり、部屋を飛び出す。


ーガタンッ!


行く時に体が机に当たり、何かが落ちた気がしたけど気にせず走る。