ザァーーーーーーーーーー

雨の日は嫌い。
あの日を思い出すから。

それに、

キィー
ガチャン

「雨すっげぇな、そのうち雷鳴るかもな~」

尋人、おかえり
あ、肩濡れてる。

口にしようとしても、音が喉につまって声にならない。

「美歌、大丈夫か?」

雨の日は、尋人は私に気を使う。
尋人だって、辛いはずなのに…

私は、尋人の問いに、ただ首を縦に振るだけだった。