大好きな恋愛物の小説なのに、全然頭に入ってこない。 「はぁ……」 私がため息をついたその時、植え込みがガサガサッとなった。 音がした方へ向かうと、そこには地面を這っている奏太くんがいた。 「奏太くん?」 奏太くんはびくっと肩を揺らして、こちらを振り向いた。 「……なにやってるの?」