「俺は奏太。相川奏太(あいかわかなた)っていうんだ」


「あ、私、瀧川彩葉です。2-6です」


「タメじゃん! 敬語使わないで、ね?」


「うん、分かった」


「じゃあよろしくね、彩葉!」


驚いた。最初から下の名前を、しかも男子に呼び捨てにされたことなんてない。


「よろしく、相川くん」


「そこは奏太でよろしく」


「さすがに最初っから呼び捨てっていうのは私にはハードル高いから、せめて奏太くん、で」


驚いた、と奏太くんが目を見開くので、何が? と続きを促す。


「いや、彩葉みたいなタイプって、てっきりくん付けでも下の名前ででは呼んでくれないと思ったから」


「あ、奏太くんって女慣れしてるでしょ。男兄弟に挟まれてるから名前呼びにはそこまで抵抗ないかな」